法律顧問法務
法律顧問法務の特徴は,弁護士と企業ないしは非営利法人との間の継続的な関係から築かれる信頼関係です。
法律顧問法務は,大別して,企業法律顧問法務と非営利法人法律顧問法務に分けることができます。
企業法律顧問法務とは,企業と継続的な契約である顧問契約を交わし,企業の法務・総務部門の担当者からの質問のみではなく,各部門からの直接のご相談もお受けするなどのマルチ相談対応,企業の役員研修や社員研修の講師をお引き受けし,場合によっては懇親会等にも参加させていただくなど,より深く企業活動にコミットするものです。
非営利法人法律顧問法務は,企業法律顧問法務と同様に,医療法人や宗教法人等の非営利法人と継続的な契約である顧問契約を交わし,その活動により深くコミットするものです。企業が営利(対外的な営利活動によって利益を獲得して構成員に分配する)を目的とするのに対し,非営利法人は営利を目的とはしません。非営利法人の場合,社会一般のニーズに配慮する必要が高くなる,法律論でじりじりと詰めて問題解決を図るのが適切とは限らない場合が多い等,企業法律顧問法務との間には微妙な差異があります。
企業も非営利法人も(もちろん個人も)法律紛争を抱えたとき,「なぜ弁護士に相談しなかったのか」というアンケートを取ると「弁護士に相談するような法律問題であるとは思わなかったから」という回答が最も多いそうです。法律問題かどうかの判断は実は難しい。法律問題であると自覚して弁護士に相談してからでは,手遅れないしは事態の収拾が難しくなるということもあります。弁護士との間の信頼を基礎とした,いつでも気軽に話をしたり相談をすることができる関係を持つことが大切だと考えます。