2015.11.04
ニュース
解決事例紹介(債権回収)―依頼者(債権者)は,相手方(債務者)に対して約3000万円の売掛金を有していたが,相手方から支払がなされていなかった案件―
●債権回収の基本方針
債権回収の基本は,相手方自らが債務を進んで支払ってくれるように話し合うことです。しかし,相手方が話合いに応じてくれない場合には,債務の支払を求めて訴訟を提起することになります。その前に,相手方が財産を減少させたり隠したりすることを防ぐために,「仮差押え(相手方の財産を先に押さえること)」をしておくと,効果的です。
●この案件への対応方法及び解決内容
まず,相手方が自ら進んで支払ってくれるように,相手方に対して,依頼者の代理人の名義で内容証明郵便を送付しました。ところが,相手方から何の応答もなかったため,相手方名義の普通預金と当座預金について,裁判所に仮差押えの申立てをしました。
その結果,普通預金には数百円しか残高がありませんでしたが,相手方が当座預金を利用していたことから,当方へ「売掛金の支払に応じる。ただし,分割払いでお願いしたい。」との回答がありました。
そのため,訴訟を提起することなく,「相手方(法人)を主債務者,その代表者を連帯保証人とし,約3000万円を分割払する」という内容の公正証書の作成によって,本案件を解決できました。
●この案件で依頼者の得た利益
依頼者は訴訟を提起することなく,早期かつ安価に案件を解決することができました。また,法人代表者を連帯保証人とする公正証書を作成できたため,売掛金の確実な回収を図れるようになりました。