2016.10.24
相談事例
「相続財産管理人」 私は今年の初めにAさんとの間で,Aさん所有のマンションの売買契約を締結しました。決済日は3月末としていましたが,売主であるAさんが2月に亡くなりました。Aさんの相続人はすべて相続放棄をしており,このままでは売買契約を履行することができません。どうすればよいでしょうか。
相続人の存在,不存在が明らかでないとき(相続人全員が相続放棄をした結果,相続する者がいなくなった場合も含みます。)には,家庭裁判所は,申立により,相続財産を管理する人(「相続財産管理人」といいます。)を選任します。
相続財産管理人の選任申立ができるのは,相続財産の保全について法律上の利益を有する「利害関係人」です。例えば,相続債権者や受遺者は,相続財産に対して権利行使する者であり,相続財産の帰属について法律上の利害関係を有する者にあたります。また,ご相談者様のように,被相続人からの物件取得者でいまだに対抗要件を具備していない場合には,所有権移転登記を求める利害関係がありますので,相続財産管理人の選任申立をすることが可能です。
相続財産管理人は,①民法103条に定める保存行為,及び代理の目的である物又は権利の性質を変えない範囲内において,その利用又は改良を目的とする行為,②債権者及び受遺者に対する弁済及び弁済のためにする相続財産の換価(競売)に関する行為,③家庭裁判所の許可を得てなす行為(①の権限を超える行為)を行います。今回のご相談のように,被相続人の生前の既存契約に基づいて,登記義務者として所有権移転登記申請をすることは,相続財産管理人の権限内の行為です。
相続財産管理人は,被相続人の債権者等に対して,被相続人の債務を支払うなどして清算を行い,最終的に,清算後残った財産を国庫に帰属させることになります。なお,特別縁故者(被相続人と特別の縁故のあった者)に対する相続財産分与がなされる場合もあります。
相続財産管理人の選任申立ができるのは,相続財産の保全について法律上の利益を有する「利害関係人」です。例えば,相続債権者や受遺者は,相続財産に対して権利行使する者であり,相続財産の帰属について法律上の利害関係を有する者にあたります。また,ご相談者様のように,被相続人からの物件取得者でいまだに対抗要件を具備していない場合には,所有権移転登記を求める利害関係がありますので,相続財産管理人の選任申立をすることが可能です。
相続財産管理人は,①民法103条に定める保存行為,及び代理の目的である物又は権利の性質を変えない範囲内において,その利用又は改良を目的とする行為,②債権者及び受遺者に対する弁済及び弁済のためにする相続財産の換価(競売)に関する行為,③家庭裁判所の許可を得てなす行為(①の権限を超える行為)を行います。今回のご相談のように,被相続人の生前の既存契約に基づいて,登記義務者として所有権移転登記申請をすることは,相続財産管理人の権限内の行為です。
相続財産管理人は,被相続人の債権者等に対して,被相続人の債務を支払うなどして清算を行い,最終的に,清算後残った財産を国庫に帰属させることになります。なお,特別縁故者(被相続人と特別の縁故のあった者)に対する相続財産分与がなされる場合もあります。