2016.06.08
ニュース
「自由な議論が脅かされている」。日経新聞朝刊において毎週火曜日に掲載される,イギリスエコノミスト誌の記事からの引用です(6月7日)。同記事よると,自由な言論の締め付けの要因には,第1に「政府による抑圧」,第2に「暗殺という形の検閲」,第3に「誰でも侮辱されない権利があるという考え方」の3つがあると言います。
第1,第2は言論の自由に対する極めて深刻な問題であり,決して許されるものではありませんが,私がとくに注目するのは,第3の問題です。同記事によると,気配りは人間関係には不可欠だがこれが権利になると誰かを不愉快にする発言がないか,絶えず監視が必要になり,不快の感じ方は主観的であり,その規制は公判で恣意的なものとなり,自由な議論を脅かしているとしています。賛成できない言論には言葉で応じ,耐える図太い神経を持てといっています。
同記事の筆者は,言論の自由は法律でほぼ絶対的に守られるべきだとの立場です。憲法の保障する言論の自由の趣旨からすると,個人を中傷したり,侮辱する言論は別として,筆者の指摘は重要なものがあります。
同記事の筆者は,言論の自由は法律でほぼ絶対的に守られるべきだとの立場です。憲法の保障する言論の自由の趣旨からすると,個人を中傷したり,侮辱する言論は別として,筆者の指摘は重要なものがあります。