2016.10.18
書斎
国廣正『それでも企業不祥事が起こる理由』(日本経済新聞出版社,2010)を読みました。少し間の本ですが,たまたま本棚を整理していて見つけ,読み返しました。筆者は,危機管理の弁護士の第一人者です。
会社担当者: 「不正改造された当社の製品に欠陥があるとされるのでしょうか」
弁護士: 「欠陥製品とは言えません」
会社担当者; 「欠陥製品でないとしたら,公表しなければならないでしょうか」。
弁護士: 「公表を命じる法律はありません」。
筆者は言います。「これは法律的に正しい答え」です。しかし,これに従って会社がとった行動が「正しい危機管理」ではなかった。しかし,企業は社会的存在です。私たち弁護士が企業の相談に応じる場合,「法律的に正しい答え」がそもまま「正しい危機管理」ではないことがありますし,企業にとっての「正しい選択」になるとは限りません。つねに留意する必要がありますね。
弁護士: 「欠陥製品とは言えません」
会社担当者; 「欠陥製品でないとしたら,公表しなければならないでしょうか」。
弁護士: 「公表を命じる法律はありません」。
筆者は言います。「これは法律的に正しい答え」です。しかし,これに従って会社がとった行動が「正しい危機管理」ではなかった。しかし,企業は社会的存在です。私たち弁護士が企業の相談に応じる場合,「法律的に正しい答え」がそもまま「正しい危機管理」ではないことがありますし,企業にとっての「正しい選択」になるとは限りません。つねに留意する必要がありますね。