2016.10.10
ニュース
平成28年10月1日以降,商業登記簿の附属書類の閲覧請求手続が従前よりも厳格になりました。附属書類閲覧に当たっての利害関係は,単に株主や債権者に当たるというのみでは足りず,閲覧の目的である「部分」との関係で利害関係を有する必要があります。これは,株式会社の登記申請にあたり,添付書面として「株主リスト」が追加されたことに連動する商業登記規則の改正と考えられます。
商業登記規則第21条の改正により,登記簿の附属書類の閲覧の申請書には,「閲覧しようとす部分」を特定して記載し(同条1項),閲覧することについての「利害関係を明らかにする事由」を記載するとともに(同条2項),「利害関係を証する書面」を添付することになりました(同条3項)。
法務省民商第98号民事局長通達及び第99号依命通知では,具体例が説明されています。それによれば,第1項の「閲覧しようとする部分」の特定については,具体的な附属書類の名称(例えば,「定款」,「株主総会議事録」,「取締役が就任を承諾したことを証する書面」)をもって行うことになります。
また,第2項の「利害関係を明らかにする事由」の具体例も挙げられています。例えば,取締役の解任登記がされている場合に,当該取締役であり,かつ,当該会社の主要株主である者が,「閲覧しようとする部分」として「その解任について決議された株主総会の議事録」及び「商業登記規則第61条第3項の書面(いわゆる「株主リスト」)」と特定して閲覧請求したときの「利害関係を明らかにする事由」としては,「当該株主総会決議の有効性を争う民事訴訟を提起するため,株主総会の開催状況及び決議の状況につき議事録を確認する必要があること」や,「会社が主要な株主の一人として閲覧申請人の氏名等を株主リストに記載しているかを確認する必要があること」等が考えられるとされています。
この事例の場合,第3項の「利害関係を証する書面」としては,当該閲覧申請人が閲覧対象の会社の株主であること及び取締役であったことを証する書面に加えて,訴状(案)の写し等が必要になるとされています。
なお,具体的な事案において,実際に閲覧が認められるか否かは,その事案ごとに利害関係の有無を登記官が審査したうえで決定されることになります。
法務省民商第98号民事局長通達及び第99号依命通知では,具体例が説明されています。それによれば,第1項の「閲覧しようとする部分」の特定については,具体的な附属書類の名称(例えば,「定款」,「株主総会議事録」,「取締役が就任を承諾したことを証する書面」)をもって行うことになります。
また,第2項の「利害関係を明らかにする事由」の具体例も挙げられています。例えば,取締役の解任登記がされている場合に,当該取締役であり,かつ,当該会社の主要株主である者が,「閲覧しようとする部分」として「その解任について決議された株主総会の議事録」及び「商業登記規則第61条第3項の書面(いわゆる「株主リスト」)」と特定して閲覧請求したときの「利害関係を明らかにする事由」としては,「当該株主総会決議の有効性を争う民事訴訟を提起するため,株主総会の開催状況及び決議の状況につき議事録を確認する必要があること」や,「会社が主要な株主の一人として閲覧申請人の氏名等を株主リストに記載しているかを確認する必要があること」等が考えられるとされています。
この事例の場合,第3項の「利害関係を証する書面」としては,当該閲覧申請人が閲覧対象の会社の株主であること及び取締役であったことを証する書面に加えて,訴状(案)の写し等が必要になるとされています。
なお,具体的な事案において,実際に閲覧が認められるか否かは,その事案ごとに利害関係の有無を登記官が審査したうえで決定されることになります。