2023.05.31
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人権尊重への取組の第一歩は「人権に関する企業方針」作りです
人権尊重への取組では、まずは「人権に関する企業方針」(人権方針)を作りましょう。
「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」(本連載においては「ガイドライン」といいます。)では、人権方針は以下の5つの要件を全て充たすよう求められています。
- 企業のトップを含む経営陣で承認されていること。
- 企業内外の専門的な情報・知見を参照した上で作成されていること。
- 従業員、取引先及び企業の事業、製品又はサービスに直接関わる他の関係者に対する人権尊重への企業の期待が明記されていること。
- 一般に公開されており、全ての従業員、取引先及び他の関係者に向けて社内外にわたり周知されていること。
- 企業全体に人権方針を定着させるために必要な事業方針及び手続に、人権方針が反映されていること。
要件1にもあるように、人権尊重への取組では、経営陣のコミットメント(約束)が重要です。
これにより、人権尊重に全社的に取り組むことが可能になります。
また、ガイドラインによると、人権方針の策定時には「自社が影響を与える可能性のある人権」を把握する必要があります。
その方法として、社内の各部門からの知見の収集、関係するステークホルダー(労働組合、NGOなど)との対話・協議が挙げられています。
人権方針を作る際、弁護士などの専門家に関与してもらうことも有効です。
策定後についても、人権方針を社内へ周知すること、行動指針等へ人権方針の内容を反映することの重要性、人権デューデリジェンス(人権DD)の結果による改定の有用性も指摘されています。