2023.02.09
社外取締役が「攻めの会社経営」を支えていくために行う「監督」とは?
一般に、社外取締役の役割は「助言」と「監督」であるといわれます。
「監督」におけるキーワードは「業績評価」です。
社外取締役・取締役は、コンプライアンス・適法性確保のための監督ももちろんしますが、企業価値をプラスにしていく「攻めの会社経営」のためには、それだけでは不十分なのです。
適切な業績評価を行う前提として、中長期的な経営計画を定めます。
一般的には、まず、経営陣が経営計画を立案します。
それから、社外取締役を含む取締役会が、計画が合理的なものとなっているか、中長期的な視点から見ても妥当かを検討し、経営計画を決定します。
その後、少なくとも年1回、取締役会において、経営計画の進捗状況を確認・評価することなどによって、経営陣の業績を評価するのです。
その中で、社外取締役には、会社から独立した立場で、経営計画の検討体制や作成プロセスを確認すること、業務執行者の業績を客観的に評価すること、業績が悪化している場合には業務執行者の経営責任の有無・程度について、しがらみにとらわれない率直な意見を述べること、などが期待されています。
経営計画を立てる場面や業績の評価をする場面で、社外取締役が自らの経験、知見に基づき、独立した立場から幅広い視野で「助言」をすることもできるでしょう。
ほかにも、適切な報酬設計を通じて、経営陣に対し会社の中長期的・持続的な成長に対するインセンティブを与えるようにすることも、社外取締役による「監督」における重要な役割になります。