2023.06.23
バーチャル株主総会(ハイブリッド型株主総会(参加型・出席型)・バーチャルオンリー株主総会)が広まってきています。
IT技術の進展に伴い、株主総会も、物理的な会場を設けてリアルに会場で実施するだけでなく、インターネット等の手段によっても開催されるようになってきました。
特に2020年からのコロナ禍により、株主総会に多くの人が集まらないようにする必要が生じたため、会場に来られない株主のためにインターネットで株主総会の様子を見られるようにするなどの対策をする企業が増えました。
同年には、折よく経済産業省から「ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイド」も公表されました。
〇バーチャル株主総会とは?
インターネット等の手段により、物理的に設けられた会場以外で実施される株主総会を、「バーチャル株主総会」といいます。
バーチャル株主総会には、「ハイブリッド型バーチャル株主総会」と「バーチャルオンリー株主総会」があります。
〇ハイブリッド型バーチャル株主総会
ハイブリッド型バーチャル株主総会は、物理的な会場も設けつつ、インターネット等の手段でも株主総会に参加・出席できるようにする、というものです。
ハイブリッド型バーチャル株主総会には、株主総会での審議などを確認・傍聴できるにとどまる「参加型」と、インターネット等の手段でも株主総会に出席でき、議決権行使や質問等もできる「出席型」があります。
〇バーチャルオンリー株主総会
バーチャルオンリー株主総会は、物理的な会場は設けず、インターネット等の手段のみで株主総会を開催するものです。
会社法上では、株主総会を開催する場合には株主総会の場所を定めなければならない(会社法298条1項1号)とされているので、物理的な会場を一切設けないバーチャルオンリー株主総会は認められない、とされてきました。
しかし、2021年6月から、改正産業競争力強化法により、バーチャルオンリー株主総会も開催できるようになりました。
バーチャル株主総会に関する規定やガイドが整備されてきて、今後もバーチャル株主総会の開催は増えていくと思われます。
弁護士としても、バーチャル株主総会に関与する機会が今後増えていくものと予想され、準備方法、問題点などについての知識を積み重ねていく必要を感じています。