「鑑定・・・その他の法律事務」(弁護士法72条)にいう「鑑定」については、「AI等を用いた契約書等関連業務支援サービスの提供と弁護士法第72条との関係について」(本ガイドライン)では、次のように述べています。
・「鑑定」は、法律上の専門知識に基づき法律的見解を述べることをいい、「その他の法律事務」は、法律上の効果を発生、変更等する事項の処理をいうとされる。
・契約書等の作成業務を支援するサービスについて
- 同サービスの提供が「鑑定・・・その他の法律事務」に該当しうる場合
- 利用者が非定型的に入力した内容に応じ、個別の事案における契約に至る経緯や背景事情、契約しようとする内容等を法的に処理して、具体的な契約書等を表示する場合
- 極めて詳細な項目、選択肢を設定することにより、実質的に利用者に非定型的な入力をさせた上で、上記と同様の処理を行い、具体的な契約書等を表示する場合
- 「鑑定・・・その他の法律事務」に該当しないと考えられる場合
- 利用者に定型的な内容を入力させ、又は選択肢を選択させ、その結果に従って、登録した複数のひな型の中から特定のひな形を選別し、利用者の入力内容を反映して表示するにとどまる場合(1.に当たる場合を除く)
・契約書等の審査業務を支援するサービスについて
- 「鑑定・・・その他の法律事務」に該当しうる場合
- 契約書等の記載内容について、個別の事案に応じた法的リスクの有無やその程度が表示される場合
- 個別の事案における契約に至る経緯や背景事情、契約しようとする内容等を法的に処理して、具体的な修正案を表示する場合
- 「鑑定・・・その他の法律事務」に該当しないと考えられる場合
など
・契約書等管理業務を支援するサービスについて
- 「鑑定・・・その他の法律事務」に該当しうる場合
- 管理対象の契約書について、個別の事案に応じた法的リスクの有無やその程度が表示される場合や、それを踏まえた個別の法的対応の必要性が表示される場合
- 「鑑定・・・その他の法律事務」に該当しないと考えられる場合
- 契約書が、契約関係者、契約日、履行期日、契約更新日、自動更新の有無、契約金額その他の契約書上の文言に応じて分類・表示されるにとどまる場合
- サービス提供者又は利用者があらかじめ登録した一定の時期や条件を満たした際に、その事実とともに、利用者があらかじめ登録した留意事項等が表示されるにとどまる場合
|
参考:「AI等を用いた契約書等関連業務支援サービスの提供と弁護士法第72条との関係について」 (moj.go.jp)
本ガイドラインが公表されたことで、どのようなサービスが弁護士法72条違反とされるのかについてある程度予測することができるようになりました。
これにより、今後、より一層リーガルテックが発展していくことが期待されます。