2024.11.21
ニュース
中小M&Aガイドラインが再度改訂されました③
(前回の続き)
④ネームクリア・テール条項に関する規律
仲介者・FA向けに、譲り渡し側の名称を譲り受け側に開示(ネームクリア)する前には、譲り渡し側から同意を取得し、候補先との秘密保持契約を締結することなどを求める改訂が行われました。
テール条項についても、M&A専門業者によるM&A成立に対する相当程度の貢献がなされた場合には一定の合理性が認められるが、
- テール条項の対象は、あくまで当該M&A専門業者が関与・接触した譲り受け側であって、譲り受け側に対して紹介された者(少なくともネームクリアが行われている者)のみに限定すべきである
- 専任条項がない場合には、他のM&A業者との比較で選択されなかったM&A専門業者からは、テール条項を根拠とした手数料請求はできない
などとし、限定範囲を明確化しました。
⑤最終契約後の当事者間のリスク事項について
中小企業向けには、最終契約・クロージング後に当事者間でのトラブルとなり得るリスク事項の解説、弁護士などの士業専門家に契約内容に関するセカンド・オピニオンを求めることの有用性、紛争が生じた場合は弁護士に相談することを検討することの必要性などに関する記載が追加されました。
仲介者・FA向けには、当事者間でのリスク事項について、最終契約締結までの調整の実施や依頼者への説明などの対応をすべきであること及びその具体的内容に関する記載が追加されました。
(次回に続く)