2024.06.27
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事前に書面で議決権行使をした株主が株主総会に入場・投票した事案(関西スーパー事件)について⑤
~関西スーパー事件から得られる教訓(2)
(前回の続き)
3つめは、株主として議決権行使をする立場になった場合には、出席する者に対し、議決権行使のルールをよく説明しておくことが必要だ、ということです。
十分にルールを把握していないと、相手方の企業に甚大な迷惑をかけてしまう可能性があり、特に取引関係や資本関係がある場合には、その後の関係にも影響が出かねません。
株主側としても、出席する者に、関西スーパーの事案を説明するなどして、議決権行使に関するルールをあらかじめ理解させておきましょう。
そして4つめは、株主総会検査役を活用することです。
関西スーパー事件でも、招集手続や決議の方法に慎重を期すために株主総会検査役の弁護士が選任されていました。
トラブルが生じた時、株主総会検査役の弁護士が中立な立場でBや会場の係員などの関係者から詳細な事情を聴き取って録音し、事実関係を確認していたことが、後の裁判でも活かされました。
このような役割を果たす株主総会検査役を活用することは、会社側にとっても株主側にとっても、有用であると考えられます。
議案が可決されるかわからないようなシビアな株主総会の場合などには、株主総会検査役の選任申立てを積極的に検討しましょう。