2023年の株主総会を振り返って②~株主からの質問~2023年版株主総会白書アンケート速報版集計結果の概要(商事法務2341号36頁)を参考に |トピックス|しょうぶ法律事務所 2023年の株主総会を振り返って②~株主からの質問~2023年版株主総会白書アンケート速報版集計結果の概要(商事法務2341号36頁)を参考に |トピックス|しょうぶ法律事務所

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2023年の株主総会を振り返って②~株主からの質問
~2023年版株主総会白書アンケート速報版集計結果の概要(商事法務2341号36頁)を参考に

株主からの質問内容についてもアンケート結果が発表されています。

その中で目を引くものとしては、「女性の活躍等の人材の多様性の向上」(事前質問又は当日の質問があったと回答した1488社の19.4%。前年12.0%)があります。

実は、2023331日以後終了する事業年度に係る有価証券報告書から、人的資本、多様性に関する情報などについて開示が義務付けられ(企業内容等の開示に関する内閣府令の改正による)、「女性の活躍等の人材の多様性の向上」に対する株主の関心も高まっていたところでした。

人的資本経営が注目される昨今の状況に鑑みれば、人材の多様性の向上等、人的資本の問題に関する株主からの質問は、2024年の株主総会でも数多く提起されるのではないかと思われます。

株主との対話を充実させるためにも、人材の多様性確保の取組等を進め、客観的な数値を押さえながら取組内容を整理し、今後の方針に関しても検討しておくことが必要となるでしょう。

「資本コスト経営や株価を意識した経営の実現に向けた対応」(同17.3%)に関する質問も多くありましたが、これも、2023331日に東京証券取引所が「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」や「株主との対話の推進と開示」に関する要請を出したことが影響していると考えられます。

株主総会の準備をする法務担当者や弁護士は、新しく開示項目になったり、省庁や証券取引所からの要請が出されたりした問題に関しては、株主総会で株主からの質問を受けることを想定しておく必要があります。


参考文献:2023年版株主総会白書アンケート速報版集計結果の概要(商事法務234136)

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