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株主総会のお土産からみる株主総会の移り変わり①

株主総会に出席する楽しみの一つとして、会社から渡されるお土産がありました。

お土産としては、食べ物をはじめ、ギフトカードやプリペイドカード、文房具、タオルなどが配られていました。

こうしたお土産を楽しみに、株主総会に出席したことのある方もおられるのではないでしょうか?

しかし、近年、株主総会でお土産を配らないという会社が増えているようです。

2024年版株主総会白書―株主との建設的対話を深める総会運営―」(商事法務2376号)によると、調査に回答した会社の87.7%が、株主総会でお土産を出していないと回答しています(同号61頁の図表24)。

前年の2023年の調査では、お土産を出していないと回答した会社が89.5%となっていたので、それと比べると、若干お土産を渡す会社が増えてはいます。

しかし、2012年にはお土産を出していないと回答している会社が2割程度となっていたことを考えると、この10年程度の間に株主総会でお土産を出さない会社が激増したことは間違いありません。

参考文献:松中学「変わるものと変わらないもの―「2019年版株主総会白書」を読んで―」(商事法務22184頁)8

上記の2024年の調査で「今回から廃止した」と回答した会社に理由を尋ねたところ、「株主平等の原則を考慮」したとの回答が大多数を占めたようです(「2024年版株主総会白書―株主との建設的対話を深める総会運営―」(商事法務237661頁))。

たしかに、株主総会に出席した株主にだけお土産を配ることは株主平等の原則に反するのではないか、という指摘は、以前からありました。

コンプライアンスの強化が求められる昨今の情勢から、株主平等原則に反するとの指摘を受けるおそれのある株主総会のお土産が廃止されることになっているのかもしれません。

しかし、お土産が消えていったことには、時代に伴う株主総会の変化も関わっている可能性があります。

 

株主総会の実務に関わってきた我々弁護士にとっても、ここ数十年での株主総会の変化は大きなものでした。

次回は、1990年代以降の株主総会とお土産の変化について取り上げていきます。

(次回に続く)

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